少子高齢化時代の新たなライフスタイルを提案する「都市型コンパクトライフのススメ展」からみる老後
シェア部分には、家庭菜園を作ったりベンチを置いたりして、マンション住人が誰でも使える共同の空間となる。たとえばマンションに30戸の部屋があると仮定すると、それぞれが10m2を共有することでシェアスペースは300m2にもなる。
一見すると10m2を差し出すのはもったいないようにも思えるが、皆が10m2ずつをシェアすることで、結果的に全員がより広々とした空間を手に入れることができるわけだ。また、隣人との関わりが増えるという効果も期待できるという。
「定年退職した後はどうしても社会との接点が失われがち。コンパクトライフではシェア部分を皆で共有することで、積極的に社会と接する機会を作っていくのです」(末光氏)
末光氏が設計した住居の工夫はそれだけにとどまらない。実際に実寸モデルの中に入ってみた。
かなり広めの玄関を開けて足を踏み入れると、そこはダイニングキッチンになっていた。
中央には木製の大きなテーブルがあり、調理スペースも広々としている。大人二人暮らしにしてはかなり余裕を持った設計にも思えるが、実はこのキッチン、カフェとして開放することを考えて作られているのだという。
「今回はカフェをイメージした内装になっていますが、住む人によって使い道はさまざま。