2020年7月15日 11:30
オタク女子、BL…異色の青春映画『私モテ』で平沼紀久監督が心がけたこと
――なるほど、合点がいきました。BL的場面についての演出では、こだわった部分はありますか?
あまりBL感を強く出すことを考えたかというと、そうでもないかもしれません。むしろ花依ちゃんの妄想のためにやっている感をどうやって出すかに注力しました。花依ちゃんを喜ばせるため、つまり好きな女の子のために男子が頑張ってやってみた、という感じ。その4人のキュートな感じが青春っぽいというか、「あの頃、好きな子のためにいろんなことやったよね」と、大人になって言えるようなものにしたいなというのはありました。
――めちゃくちゃ嫌がってるわけでもないしノリノリでやっているわけでもないという、男子4人のニュアンスが面白かったです。一方で、主人公の花依については、富田望生さんと山口乃々華さんが二人一役で演じていましたね。珍しいつくりだと思うのですが、なぜこうなったんでしょうか?
ぽっちゃりした子が激ヤセして超可愛くなって、原作ではメガネもかけなくなる、という前提があるんですよね。
視力が上がるくらいの激変は、もう「別人になったということなんだな」と解釈しました。だったら特殊メイクで調整してもらうよりも、完全な別人が同じ内面を持っているとした方が、見えやすくなっていくんじゃないかと思い、二人一役にすることにしました。