くらし情報『標高3,000mの大自然に描かれる"家族"の物語 - 木村大作監督が語る『春を背負って』』

2014年12月16日 20:00

標高3,000mの大自然に描かれる"家族"の物語 - 木村大作監督が語る『春を背負って』

――さらにハードルを上げたかった

木村監督「そういうもんですよ、やっぱり。それで、夏にロケハンをやったんだけど、夏でも相当に大変なところなんだよ、槍ヶ岳は。それが冬になると思うと……。富山から長野まで10日間、単独行で縦走するんだけど、考えるだけでも大変だよね。これを実際にやったら死ぬなと思った。自分は死んでもいいけど、スタッフや俳優さんをそんな目にまで遭わせるわけにはいかない」

――それで『孤高の人』はあきらめたわけですね

木村監督「自分の判断でやめにしたんだけど、そうしたら言われましたよ、『誤魔化してやればいいじゃない』って(笑)。でも、『劒岳 点の記』のあとに、誤魔化しの映画は撮れない。俺は、そういうのをけっこう気にするんだよね。
そう言いながらも、一応、誤魔化すための場所も見にいった。通年でやっている山小屋があって、ロープウェイもあったりするんだけど、そこで撮っちゃうと、そこばかりになってしまう。もちろん、そういうのを誤魔化しながら撮るのが映画なんだけど、自分の精神にはどうもあわない。なので、『孤高の人』はやめちゃいました」

●『春を背負って』との出会い
――そして、次に出会ったのが『春を背負って』

木村監督『それで、新宿の本屋さんで何となく本を探していると、『春を背負って』という本があった。

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