2014年12月27日 11:30
SFアニメで"宇宙"を夢見た少年が見た地球 - JAXAの宇宙飛行士・星出彰彦氏が伝える宇宙の魅力とSFの役割「楽しさ、そして難しさ」
宇宙への夢と憧れがクリエイティブという形に結晶した時代だったと言えるだろう。
大量の人工衛星が地球の隅々までを観測し、全長100mもの巨大構造物に宇宙飛行士が長期滞在する時代になっても、なお宇宙は新しい発見に満ち、我々にとって壮大な物語の舞台であり続けている。
しかし、これだけ数多く宇宙が描かれる時代でありながら、本当にそれを経験したことがあるのはごく限られた人たちだ。ホンモノを経験した人にとって、宇宙とはどういうものなのだろうか。2012年に国際宇宙ステーションに長期滞在した、JAXAの宇宙飛行士・星出彰彦氏にお話を伺った。
○憧れが現実につながる
星出氏は1968年生まれ。『宇宙戦艦ヤマト』や『銀河鉄道999』、そして『スタートレック』などの作品をリアルタイムで見ていた世代だ。多くの少年たちがそうであったように、星出氏もそれらの作品を見て「かっこいい! 行ってみたい!」という思いを抱くようになったという。
だがその頃の日本にとって宇宙はまだ遠い存在。どうすれば宇宙に行けるのか、その道筋はまだ見えなかった時代だ。当時の星出氏は、SF作品で描かれる宇宙のどんなところに魅力を感じていたのだろうか。