くらし情報『ソロシネマ宅配便 第12回 異端のアイドル・長瀬智也を堪能できる映画『空飛ぶタイヤ』』

2020年8月1日 18:00

ソロシネマ宅配便 第12回 異端のアイドル・長瀬智也を堪能できる映画『空飛ぶタイヤ』

本作でも、社員の生活を背負う赤松運送の二代目社長(長瀬)、自らの会社に疑念を抱くホープ自動車販売部カスタマー戦略課課長・沢田悠太(ディーン・フジオカ)、グループ会社のホープ銀行本店の営業本部・井崎一亮(高橋一生)という、理由も年収も生活環境も違う異なる立場の男たちが、正義感と自らの保身という現実の板挟みになりながら巨悪に迫り、物語は進んでいく。
○■男臭いギラつきと弱さを併せ持つ人物設定

「中小企業、舐めんな」

赤松が受話器越しにホープ自動車の沢田にそう啖呵を切るシーンがある。例えばフリーの物書きだって、基本的に“中小企業”だと思っている。大きな出版社と仕事をするとき、中小企業を舐めんなよという感覚を捨ててしまったら、簡単に巨大な組織にスポイルされてしまうだろう。……なんだけど、ときにその手の意地は己のクビを締めることになる。

赤松もホープ自動車から提示された1億円の補償金を受け取らず、徹底的に戦うことを選ぶが、会社の倒産を覚悟するまで追い詰められる。そんな時、ホープ自動車の上層部に対する小さな怒りが結集して、事態は一気に動くのだ。それはそれぞれの「正義」というより、「違和感」

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