2015年2月2日 11:45
一冊の新書の向こうには、国道マニアの世界が広がっていた - 『ふしぎな国道』著者・佐藤健太郎に聞く国道の魅力
――国道のおもしろさはあまり知らなかったのですが、読んでいて国道マニアの姿が見えてきました。『ふしぎな国道』は、マニアの視点から一般読者に紹介する構成になっていると感じたのですが、そのあたりはいかがでしょう。
僕の本業であるサイエンスの本での「知られていない世界のことを伝えていく」というノウハウが役に立ったのかもしれません。例えば、「階段国道」(※青森県にある階段の国道)というのは、マニアの人にとっては今さら聞くまでもない、聞き飽きた場所ですが、それを知らない人はたくさんいます。マニアの世界の本ですが、マニアックに走り過ぎないよう、読者との距離感をはかりつつ、興味を持ってもらえるよう心がけていました。自分自身のマニアとしての姿と、マニアを外から見た感じの視点を考えながら書きましたね。
○「なんでこんな国道があるの」から紐解く内容に
――『ふしぎな国道』を執筆するにあたり、構成やレイアウトなど工夫した点はありますか?
本来なら国道の歴史から書くべきかもしれませんが、読者が頭からそれを読むのはつらいだろうということで、まずは導入をわかりやすく、「階段国道」の話など興味をひきやすいところから始めています。