くらし情報『イラン、3年ぶりの人工衛星打ち上げ成功 - 謎多き宇宙開発と、その将来 (1) 国産衛星ファジルと、スカッド・ミサイルから生まれたサフィール・ロケット』

2015年2月18日 10:46

イラン、3年ぶりの人工衛星打ち上げ成功 - 謎多き宇宙開発と、その将来 (1) 国産衛星ファジルと、スカッド・ミサイルから生まれたサフィール・ロケット

また第2段には2基のロケットエンジンを持っていることが、イランが公開している写真で確認されている。

サフィールはこれまでに、知られているだけで5機、憶測も含めると7機が打ち上げられているが、その過程で改良が行われているらしく、例えば初期に打ち上げられた機体と今回の打ち上げに使われた機体とでは、推進剤が変更されるなどし、打ち上げ能力が大きく向上しているとされる。推進剤については、組み合わせは不明だが、初期のサフィールにはTM-185(ケロシン20%とガソリン80%)とAK-27と呼ばれる赤煙硝酸(27%の四酸化二窒素(N2O4)と73%の硝酸(HNO3)を、現在運用されているサフィールには非対称ジメチルヒドラジン(UDMH)とAK-27を使用しているという説がある。

また外見も白い塗装が施されていたり、材料の地色がそのまま出ていたりといった違いがあるが、いかなる理由で塗装するか否かを決めているかは不明だ。考えられる理由として、打ち上げ能力の都合で、余力のあるときは見栄えを重視して塗装し、そうではないときは塗装を削って軽量化を図っているのではないかということが挙げられる。また、白い塗装はタンク内の推進剤の温度をある程度保つ役割があり、特にイランは大陸性気候で、なおかつセムナーン衛星発射センターは砂漠地帯にあることから寒暖の差が大きいため、打ち上げる季節や気候によって塗装の有無を変えているということも考えられる。

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