2015年3月9日 06:00
1分でできる世界遺産小話 (33) 聖なるインドで弾丸世界遺産ツアー(後編)
そして都もコロコロ変わっています。そのうちのいくつかが世界遺産になっている、という次第です。
○占い師への感謝のために建てられた都
『ファテープル・シークリー』は3代皇帝アクバルが築きました。ムガル帝国を代表する偉大な皇帝と言われています。領土も拡大し、人民からも人気があり、全てを手に入れたと思いきや、唯一の悩みは世継ぎに恵まれないことでした。
ところが、シークリーという地に住む占い師が、子宝を授かると予言してその通りになったんです! アクバルはそれを記念して、占い師の住む小さな村に遷都しました。たった14年しか使われなかったんですけどね。偉大な皇帝たるもの、決断は素早く(気まぐれ? )というのがポイントなのでしょうか。
廃虚となった後も打ち壊されることがなかったので、遺跡の保存状態が非常にいいです。アクバルがヒンドゥー教徒と融和を図ろうとしたことは建築からも見て取れます。
この遺産に着いたのは閉館間際の夕暮れ時でした。そしてアーグラに到着して向かったのはホテル、ではなくお土産屋さんだったんですね~。そこで希望者はサリーなどの民族衣装をオーダーし、翌朝訪れる『タージ・マハル』に着ていきましょう、という流れになっていました。