2015年4月30日 11:20
ソフトバンク・松坂大輔のフォームと復活の鍵を動作分析のプロが徹底解説
ところが、メジャーリーグ移籍後は、最大の特徴であったこの下半身の使い方が失われてしまったという。
「理由はマウンドの硬さにあります。日本に比べてメジャーのマウンドは硬く、踏み込んだ足から、上体の力(重さ)を逃がすことが難しい。すると、松坂投手の下半身の動きは制限されてしまいます。スムーズな体重移動が失われ、後ろ足を引きずるような投げ方になってしまいました」。
マウンドの硬さに適応すべく、怪物のフォームはサイドスローのようになってしまったとタイツ先生は指摘する。
「前足で体重を逃がすことができなくなった分、メジャー時代の松坂投手の投球フォームは、縦回転から横回転に変わってしまった印象があります。身体を横回転に使えば、マウンドの硬さに関係なく、上体の力(重さ)を踏み込んだ足から横方向に逃がすことが容易になるからです。
メジャー時代の松坂投手は、まるでサイドスローのような投球フォームに変化してしまいました」。
○マウンドを"蹴る"という表現のウソ
松坂の日本在籍時のフォームを、もう少し詳しく説明してもらった。
「投球時に後ろ足が"フッ"と脱力するという動きは、『後ろ足の重さを1度センター方向に働かせて、身体側に引きつける動き』と言い換えることができます。