2015年7月2日 18:24
Apple Music、衝撃のデビュー - 1,000枚持ってるレコードを10枚に整理し再出発を決意したくなる
イーノが初期ヘッズのプロデューサーであり、ボウイのバックでエイドリアン・ブリューがギターを弾き、デヴィッド・バーンがリオやバイーヤの音楽から影響を受けているといったことを知らなければまず、リストアップできないはずなのに。
Apple Musicのウリのひとつである「人の手によるキュレーション」の精度を、早くも見せつけられた格好だ。脳をスキャンされたような気分と言ったら良いのか。機械的にはじき出されたプレイリストとは明らかに異なるテイストで、これは間違いなく「選曲家」の仕業である。クラブ/ラジオのDJや批評家だけでなく、日本で90年代に影響力があった、レコードショップのポップ職人たちを思い起こさずにはいられない出来なのだ。
アルゴリズムを使ったレコメンドなら、ボウイとイーノで、共同制作/共演者のロバート・フリップを抽出するのがせいぜい、といったところだろう。だが、人の手が入っているApple Musicなら、ロバート・フリップとエイドリアン・ブリューをセットにして年末の来日公演が決定したキング・クリムゾンを推してくるに違いない(実際のところ、フリップもクリムゾンも日本では配信を行っていないので、そうはならないが)。