2015年7月9日 11:59
知らないと損をする「お金と法律」の話 (11) 先日亡くなった父親に莫大な借金、相続はどうなる?
などと感じたりするものですが、手紙に「あのとき次女がこんな風に助けてくれた」等の記載があれば、「そうだったのか」と他の相続人の理解に役立つことが期待できます。
○「権利も相続しないけれど義務も相続しない」という相続放棄という制度
「故人に莫大な借金があった」等の場合に、相続人がいきなり借金を背負わされるのはやはり酷ですね。債権者の方には申し訳ないのですが、このような場合に、「相続人が急な借金で苦しまない」ように、法律上は、「権利も相続しないけれど義務も相続しない」という相続放棄という制度が認められています。
気をつけねばならないのは、相続放棄ができる期間は、「相続開始を知ってから3カ月」であるということです。故人のご葬儀や四十九日法要などで忙しくしているうちに、3カ月などあっという間に過ぎてしまうものです。ですので、可能であれば生前から故人の負債状況は把握しておき、これが無理だった場合でも、少なくとも個人の逝去後1カ月以内には、個人の財産状況を確認調査すべきです。ただ、いかなる場合でも3カ月以降は放棄が認められないか…というとそうとも言い切れません。例えば、故人が連帯保証人だったような場合は、主債務者の返済が滞って初めて請求が来ますので、どんなに調査しても判明しなかったということもありえます。