2015年8月3日 10:40
アニメを"立体化"する等身大フィギュアの作り方は?-デザインココが語る、デジタルのメリットと注意点
そこで千賀氏は、すべてをデジタライズするのではなく、頭とお尻の仕上がりの位置だけは人の手で調整することにした。このふたつの形状の美しさだけは、数値化できないのだという。千賀氏は、デジタルとアナログを融合させたこの手法が現時点でのベストだと判断する。
デザインココでは3Dプリンタの開発・販売も行っているが、これも自分たちが理想とするフィギュア制作のために開発したもの。結果として、フィギュア制作においては30日ほど開発期間を短縮できるようになったとのことだ。
千賀氏は「この業界は、曖昧な指示が多いのです」と述べる。「例えば、『ONE PIECE』のルフィの等身大フィギュアを作ってほしいと言われても、元となるイラストには奥行き感がありません。フィギュアなので、どの角度から見てもいいものにするのは大変です」
これを手作業で行おうとすると、まず実物を作らなければクライアントとイメージを共有できない。
そうすると、修正が入った際の作り直しによる材料費の高騰などの問題も発生する。デザインココは、この問題をデジタルとアナログのハイブリッドなやり方で解決した。
「ルフィのときは、だまし絵のテクニックを使いました。