2015年8月20日 12:52
知らないと損をする「お金と法律」の話 (14) ネットバンキングで不正送金の被害に遭った場合、補償してくれるの?
したがって、インターネットバンキングによる不正送金のケースは、法律上の過失責任の原則に立ち戻り、「銀行側に過失があった場合のみ被害者に賠償責任を負う」のが原則となっていました。銀行側に過失がないのが通常なので、仮に預金者に過失がなかったとしても不正送金の補償はなされないのが当然だったわけです。
その後、平成20年2月、全国銀行協会が「預金等の不正な払戻しへの対応」の申し合わせを公表し、「インターネットバンキングによる預金等の不正払戻しについては、銀行に過失がない場合でも、預金者自身の責任によらずに遭った被害については、補償を行う」ものとしました。
それと同時に、インターネットバンキングによる預金等の不正払戻しは、銀行の管理が及びにくいことや、インターネット技術の進展と相まって複雑高度化することから、各銀行に対しセキュリティ向上、捜査当局との相互の協力体制の整備等を求める他、顧客に対しても捜査への全面的協力や被害状況の迅速な報告説明を義務付ける等の要件を整備しました。
これにより、銀行側に過失がなくとも、預金者に過失がなければ、不正払戻しによる被害金額が補償されることになりました。
○今回のケースでは?
インターネットバンキングの不正送金の補償要件としては、預金者による(1)