先ほどのマレットが大きすぎて回転しなかった子どもは、マレットの位置をテーブルから離すことで見事、回転できるようにしていた。
こうしてどのロボットも確実にたまを打ち返せるようになったところで、この日の授業はおしまい。ロボットを家に持ち帰り、さらに強くするためのアイデアを練ってくることが次回に向けた宿題だ。宿題とは言っても、こんな楽しい宿題はないはず。
先生が強いロボットづくりのヒントを与えると、みんなで仲良く挨拶と片付けだ。そして最後は、外野から様子をうかがっていたお父さんお母さんに、この日の授業の趣旨を先生が説明。「自由につくりながら工夫することが大事」という言葉に誰もが深くうなづいていたのが印象的だった──。
教室終了後、2人の先生に話をきいてみた。
三枝泰憲先生に、子どもたちに教える際に心がけている点を聞くと、「どうしてうまくいかないのか考え、工夫して、最後には自分でできたんだという喜びを知ってほしいので、答えはなるべく示さずに、子どもたちのアイデアを引き出せるよう心がけています」と答えてくれた。
栄光ロボットアカデミーの責任者でもある富田一央先生は、子どもの発想の豊かさに毎回驚かされるという。