2015年10月27日 11:41
日本郵政グループ3社上場へ、一番人気はかんぽ生命--ゆうちょ銀は成長不透明
NISA利用も
それでも、今回、これだけの応募があったのは、やはり、安全性ではピカ一の日本郵政グループの信頼とブランド力があるだろう。売り出しに大きく貢献したのは、実は、銀行系の証券会社だ。今まで株式購入をしたことのない層に猛烈に営業をかけた。ある地方銀行証券担当者は、8月に口座数が4割アップしたと忙しさを口にしていた。
実際、株価の割安度を示すPBRをみると、ゆうちょ銀行0.47倍、かんぽ生命0.67倍と割安なのは確か。しかも、配当政策には前向きな姿勢を出しており、3社とも、配当利回り3%前後に達する予定だ。
これだけの配当をもらえれば、銀行系で購入した株式初心者は少しくらいの値上がりでは、手放さず長期保有者となる可能性が高い。空いていたNISA枠を使って購入した人も多いのではないだろうか。
来週に上場が迫っている3社。売り出しとともに、どういった株価動向になるかが注目だが、早々悪い展開はなさそうな勢いだ。
<著者プロフィール>
酒井 富士子経済ジャーナリスト。(株)回遊舎代表取締役。上智大学卒。日経ホーム出版社入社。 『日経ウーマン』『日経マネー』副編集長歴任後、リクルート入社。