2015年12月18日 10:00
残業がほとんどないのに、生産性の高い働き方 - 『ドイツ人はなぜ、1年に150日休んでも仕事が回るのか』
と即答するに違いない。本書の中に、あるドイツ人裁判官が「我々ドイツ人にとって、休暇とは、人生の中で最も重要なものです」と語ったというエピソードが出てくるが、このような考え方がドイツでは社会の本流であり、企業も法律もこのような価値観の下で動いている。だから当然有給休暇は100%消化するし、休みの日に会社のメールや電話に出ることもない。
この神聖な休暇を守るために、労働者は自分が休んでも仕事が回るように日頃から情報共有を心がけるし、効率的な仕事のやり方を模索する。多くの日本人が残業をする代わりに私用でネットサーフィンをしたり、無意味な会議に時間を浪費するのと対照的だ。果たして、どちらが賢いやり方だろうか。
○日本人が取り入れるべきドイツ流の働き方
もちろん、ドイツ流の働き方がすべてにおいて日本に優っているというわけではない。たとえば、サービス業の提供するサービスの質はドイツより日本のほうが圧倒的に高いという。
すべての面で従業員の休暇や業務効率を優先すべきかは、議論の余地があるだろう。
本書の第6章では、筆者がドイツ流の働き方のうちどれを取り入れるべきであり、どれを取り入れるべきでないかのひとつの案が提示されている。