2016年1月22日 11:55
値引き色が薄まった携帯学割、そこに秘められたキャリアの思惑とは?
しかしよくよく考えてみると、外出先ならともかく、自宅であれば光回線などを敷設し、Wi-Fi環境を整えれば、動画を視聴してもデータ通信容量を消費しないはずだ。にもかかわらず、若い世代がスマートフォンで大量のデータ通信容量を消費し続けているのには、若い世代が光などの固定回線を引かない、あるいは引けないことが大きく影響している。
そもそも中高生は、自宅のインフラ整備に関する権限を持っていないため、固定回線を引くにしても"親の許可"という非常に大きなハードルを超えなければならない。また一人暮らしの大学生や新社会人などであっても、スマートフォンで高速通信ができることに満足していることもあり、工事などの手間を嫌って固定回線を引かない人が少なくない。ネット動画をもっとたくさん視聴したいけれど、固定回線を引くのは難しい。キャリアはそうした若い世代の動向変化に目を付けて、今年は学割でデータ通信容量を増量するという判断を下したと見ることができよう。
●割引からシフトしたキャリアの思惑
○"割引よりデータ"の流れを作りたいキャリア
だが、キャリアがデータ通信容量の増量を学割の目玉に据えたのには、他にも理由があると筆者は見る。