2016年2月4日 15:38
阪大ら、記憶や学習などの脳高次機能に障害を与える分子メカニズムを発見
のシナプス部位への輸送に関与していることを見いだした。ARHGAP33分子の欠損によりTrkBがシナプス部位に輸送されなくなり、シナプスの機能が低下し、脳高次機能に障害が出ると考えられる。
さらに、大阪大学医学部附属病院神経科・精神科の精神疾患のリサーチリソース・データベースを用いて、統合失調症とARHGAP33遺伝子との関連性を調べたところ、ARHGAP33遺伝子座に統合失調症と関連する一塩基多型を同定し、ARHGAP33遺伝子が統合失調症と関連することがわかった。ARHGAP33遺伝子のリスク型を持つ患者では、左中側頭回、右内側前頭回、および右下側頭回の脳体積が小さいという。
同研究グループによると、今後、細胞内のタンパク質輸送機構の障害という分子レベルの変化が精神疾患につながるメカニズムを明らかにするためには、神経回路レベルの研究が重要になるというが、今回の成果により、細胞内のタンパク質輸送を標的とした統合失調症の新規創薬への道が開けたとしている。
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