2016年3月7日 10:42
航空機の技術とメカニズムの裏側 (8) 飛行機の操縦(1)三次元の操縦操作と動翼
機首をいくらか持ち上げた状態で水平方向に前進することもあり得るが、その場合の機体の軸線と進行方向がなす角度のことを迎角(むかえかく)という。迎角が大きくなりすぎると、主翼が揚力を発生できなくなってしまうが、これがいわゆる失速(ストール)のこと。
「航空機とIT」の第6回で書いた話だが、機体の重心を主翼の揚力中心より前方に持ってくることで、縦の静安定を実現できる。動翼をまったく動かしていない状態で釣合がとれて真っ直ぐ飛行できれば話は簡単だが、時には外部からの影響によって、あるいは意図的な設計によって、そうならなくなることもある。
○横操縦(ロール)
次は横操縦である。横操縦といってもカニさんみたいに横ばいの動きをするわけではなくて、機体を左右に傾ける操作のこと。3次元の座標軸を想定した場合、前後方向のY軸を中心とする回転になる。
旋回する際は、機体を旋回する方向に傾けて遠心力との釣り合いをとるので、横操縦が必要になるのが普通だ(たまに例外がある)。
また、直進しながら横転する飛び方もあり、これはブルーインパルスの単独機がよくやっている。
横操縦に使用するのは、左右の主翼端・後縁部に取り付けられている「補助翼」