くらし情報『ノーベル賞級の発見! 「重力波」発見が天文学に与えるインパクト - Kavli IPMUの村山機構長に聞く (2) どのようにして重力波が見つかったのか』

2016年3月16日 12:00

ノーベル賞級の発見! 「重力波」発見が天文学に与えるインパクト - Kavli IPMUの村山機構長に聞く (2) どのようにして重力波が見つかったのか

それだけ、初代LIGOの5年間で学んだことがあったのでしょうね。

--検出したあと、今回の発表まで、検証作業はどういうことが行われたのでしょうか?

村山:まず、今回の場合は装置を動かし始めてすぐに検出されましたから、そのときの装置が本当に正常だったかというのを調べます。そのあとも装置は動かしていますから、その状態と様子を比べて、違いがないかどうか、そうした安定性を調べなくてはなりません。

また、LIGOは遠く離れて置いた2つの望遠鏡から構成されていて、今回はその両方で信号が検出されました。その2つでそれぞれ検出された信号のつじつまが合っているかどうかも調べます。距離が離れていますから、若干、重力波が届くのに時間差ができます。装置の向きもわざと45度変えてあるので信号に違いが生じるはずで、それが期待通りのものだったのかを調べました。その信号ずれを計算に入れて重ね合わせてみるとほぼ一致したわけです。


逆に、完全に一致していたら科学者は信じません。雑音は必ずあるはずなので、もしぴったり合ってしまえば、それは人工的すぎる。もしかしたら誰かが偽の信号を入れたんじゃないかと疑うわけですね。むしろ、少々ずれているほうが自然ですから、そうしたところを定量化して、このくらい合っていて、このくらいずれている、ということを評価します。

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