くらし情報『長寿遺伝子産物「サーチュイン」がストレスに強い脳をつくる? - 山口大』

2016年3月24日 19:23

長寿遺伝子産物「サーチュイン」がストレスに強い脳をつくる? - 山口大

そこで、これら2種類のマウスの脳内でどのような違いがあるか調べたところ、ストレスに弱いBALBマウスの海馬では、SIRT1の量が減少していた一方で、ストレスに強いB6マウスの海馬では、SIRT1の量は変化していないことがわかった。

さらに、BALBマウスの海馬に対し、野生型のSIRT1および活性を阻害するドミナントネガティブ型SIRT1をそれぞれ過剰発現させたところ、ドミナントネガティブ型SIRT1を過剰発現させたマウスは不安・うつ様行動の増加が観察されたが、野生型SIRT1を過剰発現させたBALBマウスは、慢性ストレス負荷後の不安・うつ様行動が消失した。またSIRT1の阻害剤および活性化剤をBALBマウス海馬内にそれぞれ投与し、マウスの行動を評価した結果、阻害剤を投与したマウスは不安・うつ様行動の増加を示したが、活性化剤を投与したマウスに慢性ストレスを負荷した場合では、対照群に認められた不安・うつ様行動の増加が消失した。この結果により、SIRT1の機能を高める薬は、ストレス抵抗性を誘導することが示唆されたといえる。

同研究グループは今回の結果について、今後、SIRT1を標的とした新たな抗うつ薬の開発につながることが期待できると説明している。

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