くらし情報『金星探査機「あかつき」の試験観測は順調、フルサクセスへの期待が高まる』

2016年4月1日 12:32

金星探査機「あかつき」の試験観測は順調、フルサクセスへの期待が高まる

このデータから、地表面の鉱物組成が分かると期待されている。金星に火山があるのかないのか議論されているが、IR1の観測により、この議論に決着を付ける可能性もあるとか。

「2μmカメラ(IR2)」については、JAXA宇宙科学研究所の佐藤毅彦教授が説明した。IR2はスターリング式の冷凍機で検出器を冷やす必要があるが、経年劣化のため、最初はなかなかうまく冷却できなかったという。その点には苦労したものの、最近になってようやく解決、昼側も夜側も撮影できるようになったそうだ。

夜側の観測では、下層からの熱放射により、雲の濃淡がシルエットのように浮かび上がる。実際に撮影した画像には、南北に広がりを持つ巨大な雲の塊が見えている。昼側の撮影では、緯度50°より高緯度側で劇的に雲の高さが変わっており、複雑な構造があることが分かった。
これらは今まで、よく知られていなかったことだという。

「中間赤外カメラ(LIR)」については、立教大学の田口真教授が説明した。LIRは雲自身からの熱放射を撮影するため、昼側も夜側も同じように、雲頂の温度を観測することができる。すでに定常観測に近い連続的な撮影も行っており、これまでに数10枚もの画像を取得したとのこと。

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