くらし情報『『仮面ライダー1号』本郷猛、衝撃シーンの真意 - 白倉伸一郎プロデューサーに聞く<後編>』

『仮面ライダー1号』本郷猛、衝撃シーンの真意 - 白倉伸一郎プロデューサーに聞く<後編>

本郷がここを超えていかないと、ゴーストに遅れを取ることになってしまう。だから、ゴーストがいるからこそ、超えていく儀式の描写は必要だということになったんです。

タケルがよみがえるためには理屈があるんですよね。一方、本郷の場合は理屈を超えています。そうすることで、本郷の超越性を強調することになっている。それほど深くまで考えるというのは、本郷猛を主人公に映画を作るということが脚本家にとってもそれだけ大きなことだったんですね。

――劇中では、いままでの本郷になかった少し格好悪いシーンなども描かれています。

昔は"完璧な人間像"としての本郷猛という設定があったと思うんです。
IQが600あって、将来を嘱望されているエリート大学生で、どうやら家も金持ちらしく、学業も優秀。頭はいいわ、スポーツ万能だわ、未来はあるわ。ショッカーが目をつけるだけの、エリート中のエリートなんですね。

でも、話をする中で、藤岡さんにはとても真面目な一面がある一方で、どうでもいい話をする力の抜けた感じが非常に魅力的だったんですね。締めるとこは締めるけど、抜くところは抜くという緩急が藤岡さんの魅力なのに、本郷をどちらかに偏らせるのは惜しいなと。

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