『仮面ライダー1号』本郷猛、衝撃シーンの真意 - 白倉伸一郎プロデューサーに聞く<後編>
本郷猛の笑顔だったり、落ち込んでいるところだったり、いろんな本郷猛を見たいなと思いました。
また戦いの面でも、「地球のため」とか「世界のため」に戦うのはゴーストだけで十分だと思うんですよ。強い敵が出てきても、それはゴーストがパワーアップすればいいだけの話で。それに、若造がピンチだからといって、それを助けにいく本郷も小さいですよね。今回は、本郷も自分なりのミッションをもって帰ってきてほしかった。それは立花麻由を助けることなのですが、これは大儀というより本郷猛という人間像に帰着しうるものなんですね。そこを描くことによって、結果的に本郷猛という人間を描くことにつながっています。
――戦う敵という点では、ショッカーを大ボスにする展開もありえたのではないかと思います。
ノバショッカーを登場させた理由はあったのでしょうか。
普通は、一番古い先輩と新しい後輩が会うストーリーだと、反目から融和というパターンになってしまいます。でも、今回は世代の断絶はテーマじゃないので、世代間対立を描きたくない。なので、世代間の対立をショッカーに任せてしまうことで、ショッカー側にも45年の歳月が流れていることを見せることができる。