2022年6月25日 08:00
是枝裕和監督が驚いた、完璧を追求するソン・ガンホの行動 先回りしてアフレコも!
その後、独自にリサーチを続ける中で、捨てる母親に対する非難が根強くあると感じたという。
「『捨てるなら産むなよ』と。今回の映画の冒頭でペ・ドゥナのセリフにもしましたが、ベイビー・ボックス出身の子供、もしくは保護施設に預けられた子供が聞いたときに『自分は生まれてこないほうがよかった』と思う。そう思ってほしくないなと個人的には思うので、おそらく少なくない人が最初に口にしてしまうであろうぺ・ドゥナの言葉からスタートし、2時間かけて『捨てるなら産むなよ』という言葉を口にできなくなるような話にしたい。それがスタートでした」
「大人として」この題材は取り上げるべきだと感じたという是枝監督。「監督としては、神父の格好をしたソン・ガンホが、赤ん坊を預かりながら、裏でお金に換えているという姿が最初に浮かび、神父姿のソン・ガンホが撮りたいという、監督としての不謹慎さをもう一方で持ちながらのベイビー・ボックスへの関心でした」とも明かした。
また、リサーチする中で、赤ちゃんポストに預けられる赤ん坊の数が、日本と比べて韓国は圧倒的に多いことを知ったという。「毎日1人は預けに来るような状況で、相談に来る人を含めるともっと多い。