テレビ屋の声 - 第8回 テレ朝『しくじり先生』北野貴章氏が明かす失敗体験を引き出すコツ…長時間の打合せで「アホなふりして聞く」
僕がADのときにしくじっていた体験から、「俺みたいになるなよ」と言いたかったのが最初で、「しくじってもいいんだよ」というメッセージを伝えたかったし、その人をバカにするんじゃなくて「立てたい」という思いもありました。それに加え、自分がディレクターとして、もっとちゃんとしたものも作れるぞというのを見せなきゃという思いがあって、スタジオバラエティで面白いものを作りたいと考えていた部分もありますね。
あと、番組のタイトルってタレントさんの冠が付いていることが多いじゃないですか。それって、MCありきで通ってる企画も多いということだと思うんですよね。僕はそれを、制作者がタレントさんに頼りすぎていることなんじゃないかなと思って、メインのMCを入れない番組というのを作りたかったんです。そこで、『しくじり先生』は、ゲストの先生が主人公で毎回変わる形になりました。
――番組の肝になるその「先生」を決めるところから、授業の収録までに、どれくらいの期間がかかっているんですか?
どんどん長期化して、今はオファーしてから2~3カ月くらいですね(笑)。オファーして1回お会いしてから、打ち合わせを4~5回やります。