2016年10月30日 11:00
松田龍平がつくりあげた、愛すべき「ダメなおじさん」像 - 松田龍平×山下敦弘監督対談
松田:雪男とのバランスは、すごくありましたよね。映画の中でおじさんが何を言っても、雪男に見透かされていて、すぐに雪男の心の声が入ってくる。
――ボケとツッコミのような関係性でしょうか。
松田:そうですね。だからもし、雪男のナレーションがなかったらどう見えるのか(笑)。ダメなおじさんが、居候の家庭の中で、淡々と猛威をふるってるように見えるかもしれません。
山下:一方的に(笑)。けっこういやな映画かもね(笑)。
――心の声オフバージョン、観てみたいですね。
山下:オフバージョン、きついなあ(笑)
松田:おじさんが甥っ子たちとの動物園の約束をなんとなく断ったり、変なおみやげを買ってきたり、それをツッコミなしにひたすら観るという。おじさんの客観性が見えてくるのかもしれませんね。
山下:雪男も冷たい子供に見えるでしょうね(笑)
松田:たしかに(笑)
山下:「言えばいいのに」みたいな。
松田:心ではいろいろ思ってるのに、じーっと……。
山下:見てるだけ(笑)。雪男の声に救われてたんですね。
■映画『ぼくのおじさん』
担任のみのり先生(戸田恵梨香)から、学校の作文コンクールの宿題を課せられた小学生のぼく=春山雪男(大西利空)。