2016年11月18日 12:00
松山ケンイチ×東出昌大、目の前に「村山聖」「羽生善治」がいた - 映画『聖の青春』
それは村山さんの病のこともあるし、将棋の指し手に鬼気迫るものがあったからだそうで。まさしく、僕が松山さんに抱いていた気持ちそのまんまだなと思いました。
羽生さんが病のことを気にされていたように、僕も増量による松山さんの体の負担のことも考えましたし。松山さんが村山聖として、対局中に肩をいからせて入ってくる姿は、威圧感がありながら繊細さもはらんでいて、ある種の”殺し合い”という感じはありました。
――作中の対決だけでなく、演技の上でも対決、みたいな感覚は少しあったんでしょうか?
東出:「現場であまり松山さんと話さないように」というお話は、監督からありました。もちろん、みんなで軽く待ち時間に「この掛け軸、いいね」みたいな話などはしたんですが。僕等に限らず、みなさんが役を引っ張って、ずっとギアを上げている状態だったと思います。全員で同じ方向を向いていたのがこの現場のすごさですし、俳優部だけでなく、全体的にずっと緊張感のある現場だったと思います。
松山:スタッフの方々の、環境づくりみたいなところは凄まじかったですよね。
東出:本当に。
松山:やっぱりみんな、将棋が好きなんじゃないかなと思いました。