2017年6月2日 11:00
映画『無限の住人』8人の証言者たち - 「皆さまのもの」になるまで (15) 「これが僕のベスト」木村拓哉も1ピース、三池組の職業観 (6人目:撮影 北信康氏)
○木村拓哉の役作りは「普通」
――木村さんは寒い現場で着流し一枚、立ち回りでも雪駄。多くのスタッフさんが口を揃えて「すごい」とおっしゃっています。
やっぱりすごいですよね。こちらが気を使うぐらい(笑)。でも、本人がそうしたいと思っていることですから、こちらが気を使うべきじゃないんですよね。余計なお世話になりますから。万次に集中するために必要なのであれば、もちろんやるべき。すごいなとは思いますけど、それもまた「仕事」ですからね。
それは僕らや監督も同じ。「そんなところから撮ります?」みたいなこともあるんですが(笑)、それも「仕事」。そこから撮った方がよければやるというだけの話で、大変にさせたいから言ってるわけじゃない。すべては、映画をより面白くするためなんです。
――プロデューサー・坂さんの取材時のコメント「私の『仕事』なんです。大変なんて思っていたら、プロデューサーの仕事なんて務まらない」と共通するものがありますね。
そうです。どんな仕事でも、みんな大変なんですよ(笑)。
木村さんが役作りの一環としてそうされるのは、極論すると「普通」ですよね。
――「すべては、映画をより面白くするため」