2017年6月9日 21:00
『3月のライオン』『時かけ』脚本、映画監督で「大失敗したい」本当の狙い - "売れる方程式"への挑戦と野心
今回の受賞は、大きな意味がありますね。
そうですね。ただ……同じようなことを商業映画界にも感じていて。同じ人達だけで回っているような気がする。その中に埋もれる作品にならないようにしたいと思うんです。悪目立ちしてもいいから、埋もれることだけは避けたい。
これは決して批判ではなくて。同じスタッフ、キャストになりがちなのも、しょうがないことではあると思います。
少女漫画原作が多いという声も耳にしますが、別にそこはいいんです。何を映画化させるかはそこまで問題ではなくて、同じようなスタッフ・キャストだと「またか」と、観客も飽きてしまう。なぜ20代の監督に撮らせてみないのか、少女漫画の世界観にはピッタリだと思いませんか。
キャストの話でいえば、作家性の強い監督がオリジナル作品を作る時に「さすが!」という役者をそろえてほしい。起用される役者たちもやる気が出ると思いますし、新しい才能の発掘にもつながる。同じキャストばかり使っていたら、結局は日本映画全体をダメにしてしまうかもしれない……。
でも、最近の日本映画ってかなり面白いんですよね。一つひとつを見ていくと意欲作も確かにある。
そこで勝負するわけですから、本当にがんばって目立つようにしないと、埋もれてしまう作品になってしまうという危機感を抱いています。