2017年10月6日 11:00
オダギリジョー、納得できない仕事を避ける理由とは? - 『ゆれる』後の「甘え」「慣れ」の先にあった最高到達点 【第1回 役者の岐路】
――4人のうち2人の言い方で迷うこともありそうですね。
そういう場合は、僕と監督が思い描くフレディ像に最も近いものを選んでいました。あとは、自分が表現したいことがあったとして、それがどのような言い回しであればスペイン語圏の人にとって不自然にならないかとか。そういうことも相談しました。今思うと、限りなく時間がかかる作業ですね。
――ものすごく抱えるものが大きな役柄ですね。そこから選び抜いた一語一語をどのように記憶し、現場で表現されたのでしょうか。
4人のパターンは全部録音していました。
その中で組み合わせたこともありましたし、1人を重点的に聞いてリズムを自分の中に刻みこむこともありました。本当にさまざまなやり方でパターンを組み立てていました。
――音源を現場に持ち込んで確認されたいたんですか?
ええ、そうですね。
――阪本監督もスペイン語習得を試みたそうですが断念されたと(笑)。セリフの言い回しを選ぶという点においては、ご自身で監督的な役割を担われていた。
スケジュールが合えば監督も参加されていました。監督がまずフレディに対してどのような人物にしたいのか。このシーンではどうあってほしいのかみたいなことをみんなで共有しながら進めたことも何日かありましたので、監督が来られない時は任せていただいていました。