2017年10月6日 11:00
オダギリジョー、納得できない仕事を避ける理由とは? - 『ゆれる』後の「甘え」「慣れ」の先にあった最高到達点 【第1回 役者の岐路】
と思うんですね。それを監督がまず作ろうとしているということが挑戦だと思いました。ただ、こういう作品こそ今の日本映画界にとって必要なものだと思うので、そこにちょっとでも協力できたり参加できたりすることは、自分にとっても非常に意味があることです。
それから、キューバ革命やゲバラを扱うことに対しても「容易ではない」と思いました。日本のチームがそこに足を踏み入ていいものなのか。監督をはじめ、この作品に関わった人にとっては挑戦というのか、そのような大きな思いがあったはずです。
そして自分自身にとっても、準備することはとにかく山のようにあったので、それも「容易ではない」。そして、キューバでの撮影です。
とにかく、現場ではとんでもないことが起こると覚悟していました。というのも、僕も過去に何度かキューバに行ったことがあったので。準備を整えて何もトラブルがなく撮影できる日本の現場とは、全く異なる環境であることは分かっていました。
●俳優にとっての「甘え」「慣れ」とは?
――撮影を終えて、想像通り取りだったと感じますか? それとも、想像を超えていたのか。
想像を超えていたと思います。撮影2日目ぐらいからシャワーが水しか出なくて(笑)。