2017年12月13日 11:30
曽利文彦監督、自ら企画を立ち上げ役者を口説いた『鋼の錬金術師』 原作愛と、山田涼介というキャスティング
その頃から本格的に動き出そうということになって、原作元へアプローチを開始。3年ほど前にGOをいただきました。その後も、日本の映像技術は日々進化していて、スタートした頃と今を比べてもすでにかなり進んでいるので、我々がどこまでいけるのかを読むのが大変でした。自分自身で企画から立ち上げたのは『ピンポン』(02年)以来だったので、気合いの入り方は半端なものではありませんでした。
――原作を読んだ時に感じた魅力や、曽利監督が好きな部分はどういう点だったのでしょうか?
最初に衝撃だったのは、幼い兄弟が母親を失い、母親恋しさのために禁忌を犯して人体錬成を試みたときの天罰の下り方が、年齢に関係なく容赦ないところでした。少年が読む物語ではあっても、自然の摂理やその本当の厳しさを包み隠すことなく表現されている。でも最終的には、主人公たちがその天罰を力強くはね返していくところが最大の魅力だと思います。ものすごく魅了されましたし、そこを芯に物語を作っていきたいと思いました。
●山田涼介の女子力を心配していた?
○役者は勇気を持って映画にチャレンジしてくれた
――キャスティングにあたっては、曽利監督からアイディアを出されたんですか?
自分で立ち上げた企画だったので、全部自らお願いに行きました。