くらし情報『吉沢亮、映画『リバーズ・エッジ』で見せた欠落の美と生きている実感』

2018年3月1日 11:30

吉沢亮、映画『リバーズ・エッジ』で見せた欠落の美と生きている実感

観音崎に暴力をふるわれている山田一郎(吉沢亮)は、ゲイであることを世間に隠していて、いじめや自分の本心を明かせないストレスをある秘密で凌いでいる。その山田が好き過ぎて、半ばストーカー気味になっていく田島カンナ(森川葵)、山田のある秘密を共有する吉川こずえ(SUMIRE)は過食と嘔吐を繰り返している。いわゆる、精神的に病んでいると言われる症例の代表のようなひとたちの集まりだ。

あるとき、ハルナは、観音崎に酷い目に遭った山田を助け、その御礼に、川べりの原っぱの中に隠した山田の宝物を見せてもらう。それは白骨化した死体だった。これを見ると癒される山田をはじめとして、登場人物たちはみんなそれぞれ何かしらで心の安定を図ろうとしていて、それは過剰なセックスであったり暴力であったり食事であったりする。だがそれだけでは足りなくなって、じょじょに気持ちが溢れ、ついには誰も彼もが決壊していく。

表面的にはみんなおしゃれで肌なんかすべすべで旺盛な性欲含めて若いエネルギーを放ちまくっているけれど中身は、まるで、彼らの街を流れる淀んだ川のようだというお話を、行定監督はあえて、4:3のスタンダードサイズの画面にして、彼らの閉塞感を表した。

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