くらし情報『吉沢亮、映画『リバーズ・エッジ』で見せた欠落の美と生きている実感』

2018年3月1日 11:30

吉沢亮、映画『リバーズ・エッジ』で見せた欠落の美と生きている実感

、『アオハライド』(14年)、『オオカミ少女と黒王子』(16年)など少女漫画原作恋愛ものにもよく出ていて、次回作は、大人気少女漫画『ママレード・ボーイ』(4月27日公開)も控えている。

アクションもので男子たちの憧れ、少女漫画もので女子たちの理想と、2本柱でやってきた吉沢が、『リバース・エッジ』ではキラキラや健やかさを封印して、心によどみを抱え、二重の距離が少し空いた、空洞みたいな大きな瞳をキープし続けながら、猫と好きな男の子を見るときだけは、自然に顔をほころばせる。それが吉沢亮の放つ、この映画、最大の救済のように思えた。それこそが、平成も終わろうとしている2018年に提示する、「平坦な戦場」で生き残る、冴えたやり方なのではないか。

生きている実感の、やわらかさ。それがあるから、生きていきたい。吉沢亮の存在に、それを見た。

(C)2018「リバーズ・エッジ」製作委員会/岡崎京子・宝島社

■著者プロフィール
木俣冬
文筆業。
『みんなの朝ドラ』(講談社現代新書)が発売中。ドラマ、映画、演劇などエンタメを中心に取材、執筆。著書『挑戦者たちトップアクターズ・ルポルタージュ』『ケイゾク、SPEC、カイドク』、構成した書籍に『庵野秀明のフタリシバイ』『堤っ』『蜷川幸雄の稽古場から』などがある。最近のテーマは朝ドラと京都のエンタメ。

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