2018年7月26日 10:30
松居大悟、批判覚悟の創作と『バイプレイヤーズ』の転機「第1期集大成」
それの究極の形が今回の映画なんですけど、20代後半からは割とどうでもよくなってきて、最近ではみんなで作ることの方がいいなと思いはじめています。
――それは年齢的な変化なんですかね。
20代の頃には見えていなかった景色が見えてきて、人と作るってこういうことなんだと思ったときにすごく有機的になりました。「作ることは楽しい。だから作りたい」という原点を思い出したんですよね。なぜ、苦しむことが正しいと思ってたんだろう……。きっと「何者か」になりたすぎて、耳をふさぎ続けていた。そして、自分に自信がないから、追い込むことで自分を保つしかなかった。
今ではそう思います。
――何よりも劇中での池松壮亮さん、満島真之介さん、大倉孝二さんのやりとりがすごく熱量があって楽しそうでした。
現場は熱くてつらかったですけど(笑)。殺伐としていましたが、生産的ではありました。これを思いついて脚本を書いていた当時と、撮っていた去年で違う。去年撮っていた時と、公開を迎えた今もメンタルがだいぶ違っています。
――現時点のメンタルで、今作はどのような位置づけですか?
自分にとってのすごくマイノリティな部分とか、光の当たらない人たちをとにかく真剣に見つけて、描こうとしているという意味で、「なんか優しいな」