『極悪女王』白石和彌監督がこだわった、当時の熱量の再現 ゆりやんらの努力によって「想像以上にリアルに」
において1位を獲得。さらには「Netflix週間TOP10(シリーズ)」でも1位スタートを切った。
――まず、本作の制作において特に監督が大切にしていたことを教えてください。
80年代に全女(全日本女子プロレス)が日本を熱狂させていた、その熱量をどう失わずに作り込んでいけるかということを一番大事にしていました。ダンプ松本、クラッシュ・ギャルズをはじめとする当時のレスラーを再現していくわけですが、再現するだけではなく、彼女たちの良さを生かしながら、どう熱狂をドラマにしていけるかということを考えました。
――再現するだけではなく、彼女たちの内面もしっかり映し出すということでしょうか。
そうですね。ドラマをどう見せていけるか。
試合がたくさん出てくるので、漠然と試合を見ているとまた同じことをやっているなという風に見えてしまうところを、戦っている人たちが抱えているその時の感情をちゃんとストーリーとして見せていけるといいなと思い、試合の前後もしっかり描くようにしました。――プロレスを題材に実際に起きたことを作品にする難しさややりがいをどう感じましたか?
当時、彼女たちはたぶん年間250試合~300試合ぐらいやっていたと思いますが、それを全部描くことは無理なので、ぎゅっと感情をつなげて描かなければならず、それは難しかったです。