『極悪女王』白石和彌監督がこだわった、当時の熱量の再現 ゆりやんらの努力によって「想像以上にリアルに」
――練習で培われたチーム感がそのまま映像に。
そうなんです。セコンドの人がサポートする姿なんて、もう芝居じゃなくて、普通に水を渡したり、「タオルいる?」とやってあげたりしているから、あの一体感は何なんだろうと。想像以上にリアルになって、ここまでになるとは想定してなかったですね。10人もいたらギスギスすることもあるのかなと覚悟していたんですけど、本当にそういうこともなくて。だからプロレスのシーンは長与さんと流れとかプランは考えましたが、長与さんと俳優部みんなで作ってくれたものを毎回プレゼントされていたという感じです。
――試合のシーンでは、キャストの方たちにどのような演出をされたのでしょうか。試合のことに集中しすぎてしまうと、今どうやって見せるのかというところがおろそかになっていくので、一個一個、歌舞伎の見得を切るじゃないですけど、そういうのをポイントポイントで作りたいと話して、長与さんたちと相談しながら作っていきました。
殴られて痛がっている顔を少し長めにやってもらったり、負担にならないところで、芝居としてそういう場面を作るようにしました。
――フォークなどで刺されているのも、本当に刺されている感じですし、リアルさに驚かされました。