『極悪女王』白石和彌監督がこだわった、当時の熱量の再現 ゆりやんらの努力によって「想像以上にリアルに」
――特に注目してほしいシーンを挙げるとすると?
やはり試合ですね。コスチュームも当時のまんま再現していたり、凝りに凝っているので。そして、彼女たちの頑張り……ここに至るまでどれだけ努力したんだろうと、想像してもらえたらそれだけで胸アツになると思います。僕も未だに見直すと「どうやってこんなことができるようになったんだろう」と思うので。これほどの熱量の作品はもう二度とできないと思います。
■白石和彌
1974年12月17日生まれ、北海道出身。道内の映像技術系専門学校を卒業後、95年に上京し、中村幻児監督主催の映画塾に参加。講師の一人だった若松孝二に師事し、映画『17歳の風景 少年は何を見たのか』(05)ほかの助監督を務め、行定勲、犬童一心の作品に参加。
10年に『ロストパラダイス・イン・トーキョー』で長編監督デビューし(共同脚本も兼務)、第2作『凶悪』(13)で新藤兼人賞金賞など多数受賞。『日本で一番悪い奴ら』(16)で綾野剛、『彼女がその名を知らない鳥たち』(17)で蒼井優、『孤狼の血』(18)で役所広司と松坂桃李に日本アカデミー賞をもたらせ、自身も多数の監督賞を受賞。『止められるか、俺たちを』(18)