「お金」に興味を持つという事 - セゾン投信・中野社長の半生記 (4) 長期投資の原点!! 「債券運用」に”どっぷり”浸る
を適宜選択して金利リスクをコントロールするとともに、発行体の信用度合いを見極め、その企業業績や財務体力の変化によって生じる信用リスクの変化からも収益機会をとらえていくという複合性にあります。
そして「ポートフォリオ運用」の基本戦略は「バイ&ホールド」と言われる考え方で、有利な利回り収入を享受しながらも、市場経済の変化を予測して最適な売却のタイミングをじっくり探っていくのです。
特に5年・10年という期間保有することを前提にして投資シナリオを描き、仮説を立ててアプローチする、さらにはさまざまな市場リスクを全体としてコントロールするためスワップ・オプションといったデリバティブ(金融派生商品)も活用して管理していく。
否が応にも、市場や経済動向に対する感覚がとぎ澄まされていきました。
こうして債券運用にどっぷり浸ることができたおかげで、必然的に実体経済や市場、それに企業を見る視点も長期でとらえる感覚が養われました。
当時は運用といえば日本株であり、債券運用は亜流で、しかも事業債の「ポートフォリオ運用」は尚更のことでした。
もし自分が日本株の担当だったら、チャートを眺めてシナリオを作るくらいのことを運用と思っていたかもしれません。