「お金」に興味を持つという事 - セゾン投信・中野社長の半生記 (4) 長期投資の原点!! 「債券運用」に”どっぷり”浸る
本当にラッキーでした。
特に「長期金利」はその国の経済の現状を反映し、景気の先行きを見通すバロメーターです。
1990年に日銀はバブル退治へ血道をあげようと、一気に金融引き締めへと舵を切ります。
フルスロットルでバブル景気に踊っていた日本経済は、突如急ブレーキを踏まれたようなもので、ハンドル操作が効かなくなって景気は急速に落ち込んでいくわけですが、この時期の経済動向を私は債券運用者の立場から金利を通して見ていたので、実に痛快でした。
1990年代後半には10年国債が7%を超え、長期プライムレートも8%を超えました。
日銀のヒステリックな金融引き締めに実体経済は悲鳴を上げ、景気失速は時間の問題です。
来年には一気に金融緩和へ向かうと強く見当をつけ、私はユーロ市場で投げ売り状態にあった残存期間の長いユーロ円債をひたすら買いまくりました。
案の定金利は1990年代後半がピークで、この時仕込んだポートフォリオは翌年以降すごい運用成果をあげてくれました。
債券運用の世界では常に金利と向き合っているので、実体経済の体温変化にとりわけ敏感になれるのです。
これが長期でとらえる感覚! 私の長期投資の原点がこの時期にあると言えるでしょう。
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