「お金」に興味を持つという事 - セゾン投信・中野社長の半生記 (5) 新たな挑戦へ - 「投資信託」で個人のお金を預かり、長期投資を実現する!
ところが1990年代後半になると、日本経済のバブル崩壊が本格的に顕在化し始めます。
日銀が三業種規制を強行した結果、不動産価格は暴落を続け、あまたの新興不動産業者がバタバタと倒産し、そこに巨額の融資をしていた銀行の貸出債権がどんどん不良化して行ったのです。
20世紀の高度成長時代には、不動産価格も経済とともに成長し続けました。
そのため日本には不動産は下がらない! という土地神話が根付いたのです。
その構造に馴れ親しんできた日本の銀行は、融資と言えば不動産担保さえとっていれば安心と、新興不動産業者にも莫大な不動産担保貸付金を積み上げてしまいました。
ところがバブル崩壊で貸出先の不動産会社が破綻すると、安心と思っていた担保も価格が激減していましたから、名だたる大手銀行からすべからく銀行業界全体に不良債権が山のように積み上がってしまったのです。
以前は軒並みトリプルAという最上級格付けを有して産業界に君臨していた日本の大手銀行は、今度は一斉に格付けを引き下げられ、世界の金融市場から邦銀のバランスシートは信用できないということになって、ジャパンプレミアムなる高い調達金利を世界の金融市場から要求されるようになってしまいました。