くらし情報『奥様はコマガール (64) 結婚生活で気づいた人間の不条理』

2012年9月28日 14:10

奥様はコマガール (64) 結婚生活で気づいた人間の不条理

本人曰く、乾麺を鍋で茹でているときに少し目を離しただけなのに、いつのまにか鍋に伸びきった麺しか残っていなかったらしい。

きっと「少し目を離した」というのは本人のイメージであり、真相は何十分も経っていたのだろう。

とにかくチーは何かひとつのことに気をとられると、その前のことを忘れてしまうという、不器用な面を持っているようだ。

これで手先は驚くほど器用なのだから、本当に多面的だ。

ところで、こういう人間の多面性は、小説や漫画といった作者個人の創作世界では実に細かく描写できたりする。

特にストーリーよりも人物描写に重点を置いた作品は、そこが醍醐味のひとつだ。

いわゆるステレオタイプの人間なんて現実には存在しない。

しかし、ドラマや映画ではこれが少し難しかったりする。


かつて僕が映像や舞台の脚本を書いていたころ、ある役者が自分の役についてこんな悩みを吐露していた。

「脚本をちゃんと読んだつもりなんですけど、演じるキャラクターのつじつまが合わなくて困っているんです……」つまり、こういうことだ。

一般的に脚本には配役の台詞と設定、最低限の動きしか書かれておらず、小説や漫画に比べて人物の情報量が圧倒的に少ない。

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