このケースでは、業者に依頼して騒音を測定した結果に基づいて、「男児が跳びはねたり走り回ったりする音は生活実感としてかなり大きく聞こえ、相当の頻度であった」と指摘、配慮すべき義務を父親が怠った、と判断されました。
これはほんの一例ですが、騒音問題は訴訟に発展するケースも少なくありません。
――入居前に騒音トラブルを避けるポイントはありますか。
穂積さん:騒音の起こりようには、建物の構造が大きく影響します。
木造や鉄骨造(S造)の建物よりも、8階くらいまでの中低層のマンションに多い鉄筋コンクリート造(RC造)や、鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)の方が頑丈で遮音性が高くなります。
室内の音だけでなく、廊下を歩く音、階段の昇り降りの音、話し声が響くかどうかも大きく違ってきます。
引っ越しビギナーによくある失敗は、「内見のときは静かだった。
こんなに隣の音が響くとは……」と、入居後に気付くというパターンです。
騒音が気になる方は、 部屋を探す段階で、「閑静な部屋」という条件を掲げて意識してください。
鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造の建物を選び、より静かな環境を望む場合は、上の階の音が気にならない最上階の角部屋がいいでしょう。