2012年12月7日 10:05
米国は本当に”隆盛”に向かうのか? 「新エネルギー革命」で見る米経済の今後
――米国は、外交・軍事で中東を重視してきましたが、それが変わる可能性がありますね。
米国のエネルギー自給率が上昇する、そのことが「革命」といわれるゆえんです。
まず、米国のエネルギー輸入が減ることになり、貿易赤字が改善することが見込まれます。
さらに、エネルギーの安定的な確保を可能にするために中東近辺に配備していた軍を縮小させるなど、国防費を抑制することで財政赤字を削減することが考えられます。
これまで「貿易赤字」「財政赤字」の”双子の赤字”がいわれていたような状況が、「新エネルギー革命」によって、大幅に削減される可能性が出てきたのです。――赤字が減るだけでなく、中東に介入し続けてきた外交・軍事政策上の大転換も図られそうですね。
まさに、世界にとっても「革命」ですね。
米国の双子の赤字が減れば、米国の信認も高くなります。
つまり、「ドル」への信認が高まるわけです。
――基軸通貨国の信認が高まることは、世界にとってもプラスですね。
さらに言えば、「新エネルギー革命」は、米国の国家としての信認を高めるだけでなく、企業にとっても大きな影響を及ぼしつつあります。
シェールガスの増産により、天然ガスの価格は下がっていて、ピーク時に100万BTU当たり15ドルなっていたのが、現状では2~3ドルで推移しています。