心と身体を解放してくれる、自分のためのランジェリー
下着はいつからか、身に着けることが義務化された。日本においては、しっかりと形作られたブラジャーにバストをおさめ、欧米人のように丸く見せることが国民の大多数に定着した。
私自身はAカップにも満たない規格外のサイズのため、手に届く範囲のメーカーのブラはいまいちしっくりこなかった。大きく見せたいわけではない。ただ、私にとってはないものを大きく見せることは“偽物”であり、受け入れがたかった。
ある日、パッドもワイヤーも何もない、一枚レースのランジェリーに出会ったとき、私の身体は初めて下着に認められた気がした。皮膚の上を覆うたった一枚のレース。ありのままの自分の身体を、ぺったんこな胸板を好きになれた。
下着は、身体を押さえつけるものではなく、自分を解放するものであると思う。
透けている頼りない下着には抵抗がある女性は多い。しかし固定観念を取り払うことで、自分が知らなかった自分と出会い、自信を持つことができる。ランジェリーにはそんなパワーがある。今、私はil Felino.(イルフェリーノ)というランジェリーコンセプトストアを運営している。自分の身体を受け入れ、愛するきっかけになるように……ilFelino.は、そんな思いでランジェリーを提案している。