2017年10月28日 10:00
この愛に泣け!”共感度ゼロ”のふたりが辿り着く究極の愛―『彼女がその名を知らない鳥たち』- 古川ケイの「映画は、微笑む。」#26
◼︎あなたの恋愛観を揺さぶる!究極の愛の形
本作『彼女がその名を知らない鳥たち』で描かれるのは、まさに究極の愛の形。
恋愛に依存せずには生きられない危なっかしさを持ちながら、同居人の陣治にひどい態度をとる女・十和子。
十和子に執着する不潔で滑稽な陣治。
甘いセリフを吐き十和子と不倫の関係に陥る男・水島。
十和子のかつての恋人で、腹黒い策略家の黒崎。
登場人物は全員、共感できないような嫌なやつ。なのにそんな彼らが、彼らだったからこそ見つけることができた愛の形に魂が震えます。
「あなたはこれを愛と呼べるか」というコピーが示す通り、この結末に何を感じるかは観る人次第。
どうぞ、あなただけの答えを見つけてください。
◼︎『彼女がその名を知らない鳥たち』ストーリー
自堕落な暮らしを送る十和子(蒼井優)は、15歳年上の同居人・陣治(阿部サダヲ)に養ってもらいながら、自分はまったく働かず、だらだらと日々を過ごしていた。
そんな彼女を心配し、陣治は1日に何度も十和子に電話をかけてくる。自分に強い執着心を見せる陣治に十和子は心底うんざりしていた。
食事中に足の指の間のごみを取り、食べ物をボロボロとこぼす不潔でがさつな陣治に、十和子は苛立ちを隠せない。