「好き」の気持ちに素直に、諦めずに続けること。人生は何歳からでも変わっていく
何もしていない自分が恥ずかしかった。恥ずかしいと思わせてくれる祟山くんが尊かった。
大人になると勝手に動くのは怖くなる。決まった日々を生き抜くだけでも大変な時代。それでも諦めずに、わき上がる自分の気持ちに素直になって動き出すことはできる。その先に、何かあるかもしれないし、何もないかもしれない。
結果はそこまで歩いた人にしか見えない。私もその景色が見たかった。
手のひらに『恐怖の口が目女』の本がすっぽり納まったとき、もう私は歩き出す用意ができているのだと知った。
■描いてくれて、ありがとう
『DRESS』から漫画に関するコラムの依頼があったときに、この話以外書くことが見つからなかった。漫画そのもののレビューをすべきだとは思ったのですが、そんなものはこの漫画の前では意味がなく、友人と併走した1年半を思い出していると、漫画の中身だけを切り取ることはできません。
この本がこの世にあることがこのコラムのすべての意味だし、人生に影響を与えた漫画だとしたら、彼と作品の存在すべてが影響です。
「私は私の心に嘘をついていないか?不安なら早く描け!」
この言葉を戒めるために、死ぬまで本棚の端っこにいてもらおうと思っている漫画です。