「平凡の呪い」から解き放たれるために、僕はアホになった
「でもオモロイ大人にはなれるんちゃうの?」
アラサーの男がそんなノリみたいなテンションで進路を決めて「アホちゃう?」と思われるかもしれない。しかし、大きな決断ほど、合理性よりも「オモロイかどうか」で決めた方がいい。
そんな生き方が、理屈抜きにかっこいいと思った。
そして僕はアホになった。転職も起業も、確固たる勝算はないが、オモロイ大人に近づいている確信がどこかにあった。
■成功も失敗も、すべて自分の責任
話を再び『なにわ友あれ』に戻す。本作シリーズの第一部で主人公を張り、第二部でもテツヤと並んで主役級の存在感を放ったグッさんは、僕の心のリーダーだ。
イケイケの環状族・トリーズンレーシングの初代会長・ヒロちゃんたちの引退とともにチームを脱退したグッさんは、当時数十~百人規模のチームが多数を占めるなかでスパーキーという新しいチームをたった4人で立ち上げた。
二代目会長と反りが合わないがために、潰されるのを覚悟で新しいチームを作る。たとえその道が向かい風であっても、自分の人生の舵を他人に握らせたくなかったのだろう。頑固でわがままで、融通の効かないやつだ。
成功も失敗も、すべて自分の責任。