「子どもを持たない30代以降」に何を思うのか。『いるいないみらい』で考える自分の未来
5年先だって不安なのに、10年先のことなんて、もう分からないとしかいいようがないよね。
女子会ではカクテルグラスを片手に、今日もそうして会話の茶を濁す。なぜ、私たちには時限爆弾が設定されているのだろうか。世間の景気とか、晩婚化とか、社会の事情など関係なく、なんとか仕事に慣れてきた時期に「子をなすか・なさないか」という選択が迫られる。
20代の時、子持ちの先輩の話を聞いてみたり、独身を貫くつもりだという女友達の話に耳を傾けてみたりしてみたが、結局腹は据わらなかった。自分で自分のことが分からないのだ。今はいい、そうは思っていても、いつ「やっぱり欲しい」と思うのかすら分からない。先んじて決めておくほどの覚悟もない。
だから悩んでしまう。
この手の話というのは結局、自分がどうするかでしかなく、いくら人に話を聞いても自分が納得できなければ意味がない。にも関わらず、下手に口に出すと「持つべき・持つべかざる論」にも発展しかねず、友人関係にヒビが入ることもある。本は、そんな時にいい。温かい飲み物を飲みながら、誰かの人生、そして悩みをゆっくり咀嚼しながら「もし、自分だったら?」と考える時間が、私たちには必要なのだ。